ご挨拶

2020年8月  
一般社団法人 日本自閉症協会
会長 市川 宏伸  

 自閉症児を持つ親たちがそれぞれの地域で親の会を結成し、1968(昭和43)年「自閉症児親の会全国協議会」として全国組織を発足、その後法人化されて日本自閉症協会となりました。2018年には創立50周年を迎え、創立式典にもご臨席いただいた常陸宮殿下を再びお迎えして創立50周年記念式典を行うことができました。
 当協会は、現在、全国47都道府県と、3政令指定都市(川崎、横浜、神戸)にある各自閉症協会50団体により組織されそれぞれその地域で活動を行っています。これらの協会とともに、自閉症の方やそのご家族が安心して生活できるよう、会員のご意見を汲み上げて国に働きかけていくのが当協会の使命です。毎年、厚労省、文科省に、また内閣府、国交省、経産省などにも、要望書を提出しています。
 私自身は、札幌で医学部の学生であった時に、自閉症に興味を持ち、卒業後東京に戻り、3年間大学等で研修をした後、世田谷にあった全国で一番大きな自閉症の病院に奉職しました。ここで、自閉症の幅広さを勉強させてもらいました。医師になった頃に、自分の子どもの視線が合わないことに気づき、診断基準から自閉症と診断しました。その子は40歳を超え、現在は入所施設で過ごしています。約40年間、自閉症の方々と過ごしていますが、自閉症児者の支援は奥が深く、医療のみではなく、福祉、教育、就労、司法など様々な分野の連携が必要です。現在も、当事者関連団体、医療施設、福祉施設、特別支援教育、司法関連などの分野の方々と協働しています。
 自閉症の人達は裏表がなく、自分の気持ちを率直に表すため、世間からは誤解を受けることもありますが、心の純粋な愛すべき人々だと考えています。自閉症の人々が社会に合わせるために努力するのではなく、社会そのものが自閉症の人達に住みやすい社会になることを期待しています。各地の自閉症協会と連携して、そのような社会の実現に努力したいと思っています。