「アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は自閉スペクトラム症(ASD)の子の率について新たなデータを公表しました」

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アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は自閉スペクトラム症(ASD)の子の率について定期的に調査をおこなっています。 2023年3月24日にあらたな調査結果(8歳児のASD)を公表しました。

1. CDCのデータ

出典: https://www.cdc.gov/ncbddd/autism/data.html

詳細内容はCDCの下記記事をご覧ください。https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/72/ss/ss7202a1.htm?s_cid=ss7202a1_w

2. 数字が大きくなった理由

前記詳細記事の最後の行に、次のSTAT(米国の医療や健康に関する情報誌)のJohn Elder Robisonと Dena Gassnerによる次の記事を紹介しています。
https://www.statnews.com/2023/03/23/autism-epidemic-cdc-numbers

今回の調査結果のASDの子の増加についてこう書いています。

この増加は怖いと思うかもしれません。しかし、自閉症の大人として、また自閉症の子どもを

持つ親として、私たちはリラックスするようアドバイスします。”自閉症の流行”はないのです。むしろ、

私たちが直面しているのは、ニーズの流行なのです。

自閉症が増加している主な理由は単純です。臨床医が、もともとあったものを見つけるのが上手になったからです。

自閉症には簡単な検査がないため、診断には観察技術のかなりの訓練が必要です。

その結果、診断結果は集団や臨床医の能力によって大きく異なる可能性があります。

そして、ASDが見逃されてきたケースとして女子や有色人種、文化的な違いのある人等々の例を挙げ、「より多くの自閉症を認識することで、より多くの人々を助けることができる」と結んでいます。

3. 日本のデータ。

日本では信州大学の篠山大明先生が研究し、それを一昨年に発表されています。

2014年生まれの全国の子どもにおける5歳までのASDの累積発生率は3.26%、

2010年生まれの全国の子どもにおける9歳までの累積発生率は5%に達していると述べています。

https://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/chair/i-seishin/jamaopen2021pressrelease.pdf

この累積発生率が医療的診断に基づく自閉スペクトラム症の発生率としては世界的に見て高い数値であることに関しては、日本における診断感度の高さを示唆していると述べています。
また、自閉スペクトラム症と診断される人が増えている主な理由の1つはスクリーニング精度の向上があげられるとしています。

(日本自閉症協会広報部)2023.04.07