【シリーズ】 「子育てのストレスと上手に付き合う」 第4回 岩澤寿美子さん
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「子育てのストレスと上手に付き合う」をテーマに5回シリーズとして、
社会福祉法人 嬉泉 清瀬市子どもの発達支援・交流センター とことこセンター長
岩澤 寿美子さん(臨床発達心理士 公認心理師。執筆当時:女子美術大学非常勤講師)にお話を伺っていきます。
親子のストレスへの対応についてや子どもの成長を促すポイントについてなど、
普段の生活の中で無理なくできることをお伝えしていきたいと思います。
第4回
「タダで学べることたくさん! ~生活の中にあるタネ~ 」
社会福祉法人 嬉泉 清瀬市子どもの発達支援・交流センター とことこ
センター長 岩澤 寿美子さん
(臨床発達心理士 公認心理師。執筆当時:女子美術大学非常勤講師)
”秋の夜長”どんな風に過ごしますか?
一人の時間なんてとんでもない、いったいいつになったら一人で自分のことをやってくれるのかしら・・・
とやきもきしている親御さんも多いのではないでしょうか。でも、お父様やお母さまが“私がやった方が早いから”といやってあげている限り、子どもの自立への道は遠いかもしれません。
では、どうしましょう?お子さんの様子を見てください。
手を洗う
食事を食べる
着替える
実はこれも立派な自立です。まずはお子さんの今できていることを認めてあげましょう。
“うちはちっとも食べてくれない・・・”という時、なぜなのかを考えてみませんか。
体調は?
食べやすい環境になっていますか?そもそも食事の時間は楽しい時間になっていますか。
子どもの身体はすべてが大切な道具になります。口(歯)は?手は?充分に使いこなせていますか?
いえ、その前に充分使ってみたい意欲が育っているのかが大事です。食卓のウィンナーをがぶりとかじっていたら・・・、バナナの皮を自分で剝けるような形で出してあげたら・・・口も手も活かしています。え~、スプーンやフォークで食べてほしいのに、なんて声に出していませんか。
パンの袋を開ける、ヨーグルトのふたを大人と一緒に開けてみる、そんな体験が力加減の調整、手首の使い方を身に付けることにつながります。
洗濯物を干す間、洗濯バサミで遊んでみませんか?挟むのはまだ少し難しいかな、という子どもには着ている服に挟んでみると、ひっぱって取りたくなるものです。
自分にはつけないでのサインを出してくれる子どもとは、ぬいぐるみに活躍してもらうのも一つです。
きっと上手に取るための指使いのタイミングを知らず知らずのうちに獲得しそうです。
自分でちぎったレタスのサラダをトングで家族のお皿に取り分けるお役は、喜んでやってくれそうです。
たとえ自分で食べなくても、野菜に触れる、喜んでもらえる経験は無駄にはなりませんし、給食係での自信につながります。
学習はどうでしょう?
クッキーの袋を開けてもらい、きょうだいや家族でシェアしたらいったい自分は何枚食べられるのか、真剣に悩んでくれそうですよ。算数のつまずきは、CmやM、㎖にℓなどの単位の出現にも関係してきます。物差しやメジャーを駆使してお家の中の色んな物を測ってみたり、大好きなジュースパックの単位をあてっこするのも大事な体験になります。
でも楽しく!が必須条件。散らかったクッキーの片付けはどう楽しみましょうか。こんなこともできるのね、なんて成長の発見ができそうです。子どもの意欲は、「持っている力+ちょっとの冒険」にあります。でも、その“ちょっと”は一人ひとり違うのです。あなたのお子さんの“今のちょっと”を探してみましょう。きっと “やってみたい‼” のタネはいっぱいあるはずです。
くれぐれも早く芽を出せ…と焦らないでくださいね。
次回は「シリーズ最終回・総集編」です。